一所懸命に作った商品だからこそ、食品表示法に沿って適正に表示し、少しでも儲かるようにしていきましょう!!
新型コロナウイスルの感染者が増加しているため、首都圏や都市圏では週末を中心に外出自粛の要請が行政から出されております。
その自粛ムードに呼応するように、百貨店が週末の全館休業、食品フロアを除く休業、営業時間短縮等の措置をとるなど、小売業や流通業、その川上にある製造業まで、極度に厳しい状況にあります。
例年であれば、鹿児島では桜の花が咲き始めて行楽客が増え、地域の物産館も大勢のお客様で賑わう時期ではありますが、当然ながら今年は、例年とはまったく異なる状況です。
そんな中、物産館に並んでいる商品を手に取ってみて、少し気になることがありました。
まだ品質表示の改善ができていない商品が販売されているようです。
「これまで何回も○○メッセの大きな商談会に出展して、サンプルや見積もりを何回も送ったけど、バイヤーからなんの返事もない」という相談を何回もいただき、「加工食品一括品質表示が間違っていますよ」「『ビタミンと食物繊維がたっぷり!』と書いてはいけませんよ」「自社商品に必要な法令に沿って正しく表示することは製造者の責任なので、バイヤーは面倒くさがって一つひとつ指摘してくれませんよ」とアドバイスしてきました。
ご存知のとおり、平成27(2015)年に食品表示法が施行され、その食品表示法が5年間の経過措置期間を経て、
令和2(2020)年4月1日に完全義務化されます。
地域素材を原材料に使用して製造・加工する、いわゆる「地域特産品」の表示について、消費者庁発行の「早わかり食品表示ガイド」から従前とは大きく異なる事項だけを抜粋し、要点だけをご紹介いたしますのでご参照ください。
なお、私なりの表現に書き換えておりますので、正確なことはネットで「早わかり食品表示ガイド」(※1)等をご覧ください。
1 アレルゲン(特定原材料、特定原材料に準じるもの)の表示ルールが改正されました。
◎特定原材料の個別表示を原則とし、例外的に一括表示することが可能です。
2 栄養成分表示が義務化されました。
◎熱量(カロリー)、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の基本5項目が義務表示で、推奨表示(飽和脂肪酸、食物繊維)、 任意表示(糖類、糖質、コレステロール、ビタミン類、ミネラル類等)があります。
◎分析値(分析機関や自社において分析して得られた値)を表示することが基本ではありますが、計算値や参照値を表示する方法もあります。
○計算値:原材料における栄養成分の量から算出して得られた値
○参照値:公的な栄養成分データベース等を基に、表示しようとする食品と同等または類似する食品から、その食品の栄養成分値を類推した値
※栄養成分値に表示値との差が認められると推定される場合、「推定値」または「この表示は目安です」と明示して表示しなければなりません。
◎消費税法において、年間の課税売上高が1,000万円以下の小規模事業者が、自社で製造した商品を同一の施設内(敷地内)で販売する場合は、栄養成分の表示が免除されるケースもあるようですが、物産館や他の小売店で販売することを前提に栄養成分表示を整備することをお薦めします。
3 原材料名と添加物の区分を明確にして表示する必要があります。
4 原則として、製造所固有記号を使用しないことになりました。
◎これまでは「加工食品一括表示」内に「製造者」もしくは「販売者」のいずれかを表示し、販売者を表示する場合は「製造所固有記号」を付していましたが、製品の製造を他社工場に委託して自らを「販売者」と表示する場合、従来の製造所固有記号は使用せず、「加工食品一括表示」と併せて「製造所」の名称(氏名)と所在地を表示しなければなりません。
5 原料原産地の表示については、現在は経過措置期間内にあり、2022年4月1日に完全義務化されます。
◎既に表示義務がある5品目と22食品群だけでなく、国内で生産されるすべての加工食品が、原料原産地表示の対象となります。
(※1)「早わかり食品表示ガイド」
当社のホームページでもお伝えしているように、「一所懸命に作ったのに、取り扱ってもらえない」理由が、「表示が間違っているから」とならないように、改めてチェックしてみてください。
“ 品質表示はデザインに優先します! ”
地域彩生コーディネーターの櫨山でした。(^_^)v
次回をお楽しみに♪
See you.