「あく巻き」は「ご飯」なのか、それとも「スイーツ」なのか!
「我が家の自家製 梅黒酢」を紹介した6月30日のブログで、「今年は水害が発生せずに梅雨が明けることを願っております」を書きましたが、残念ながら、九州や中部・東海地区が豪雨に見舞われ、特に熊本県を中心に70名を超える死亡者や不明者が出てしまいました。謹んでお見舞いとお悔やみを申し上げます。合掌
また、6月中旬から鹿児島県内では「新型コロナ感染者ゼロ」が続いていたので、早く「コロナ明け」して、経済活動が少しずつ以前に戻ることを期待しておりましたが、7月に入って突然、ショーパブでのクラスターが発生し、感染者が2週間で100人以上増えてしまいました。
このことについても、東京都の「夜の街」で接客をともなう飲食店が「利用客の名前と連絡先を把握する」という取組みを6月16日のブログで紹介し、「安全であること、安心であることを優先して商品やサービスを選択する『素性のはっきりした人』だけがお店の顧客となるので、お店とお客様との信頼関係が築きやすくなり、また、お店のブランディングにもつながるのではないでしょうか」と書きましたが、このようなことになってしまい、残念でなりません。
改めて「得体のしれない新型コロナウイルス」の恐ろしさを思い知らされることになってしまいました。
そのような中で、やっと「選挙明け」を迎えることができました。
「まずは鹿児島の今が変わり、これからをどう変えていなかければならないのか」を語れるようになりました。
「天災」や「ウイルス」には十分に備えなければなりませんが、「人災」は引き起こさないようにしなければなりません。
さて、先日、指宿市に住む妻がたの両親から、真空包装の「あく巻き」が届きました。竹の皮を開いてみると、先月の南日本新聞で紹介されていた「小豆のちまき」に似ていて、私にとっては初めての「豆入りのあく巻き」でした。
豆の正体は、小豆より少し大きめの「ささげ」ではないかと…。
私の実家の鹿児島市皆与志町には兼業農家が多く、今から40~50年前は、一月遅れの端午の節句に合わせて、自分たちで収穫したもち米を使い、各家庭で「ちまき」を作っていました。
そのころ我が家では「五右衛門風呂」を薪を焚いて沸かしていたので、その木灰を、穴をあけた一斗缶に入れて濾過した後、「ちまき」の灰汁として使っていたことを覚えています。
孟宗竹の竹皮を拾い、その竹皮を袋状にしてもち米を入れ、竹皮のヒモで固く結び、それから3~4時間ほど釜で煮るといった一連の作業を毎年、手伝わされていました。
各家庭で作った「ちまき」を2本ずつ交換していたので、我が家では、自宅で作った50本のうち約20本は、物々交換したご近所の個性ある「ちまき」に入れ替わっていました。長さや太さは様々で、また、米粒の残り具合や灰汁の強さも各家庭で異なっていました。
我が家でも、「今年は上手にできた」「今年は灰汁に漬けすぎたかなー」とか、「○○さん家より△△さん家の方がおいしい」など、反省したり批評したりしていたのを思い出します。
「白砂糖ときな粉をハーフ&ハーフ」にして、まぶして食べるのが我が家の定番でした。
当時は各家庭に真空機があるはずもなく、また、冷蔵庫の冷凍室もキューブアイスを作るぐらいのスペースしかなかったので、冷凍保存することもなく、竹皮にカビが生えたり中身が腐ったりする前に、毎食のようにあく巻きを食べさせられていたので、子どもの頃は、あまり好きではありませんでした。
真空包装や冷凍輸送の技術が発達した今でこそ、県外の百貨店で開催される鹿児島物産展では「あく巻き」は、なくてなならない「郷土菓子」ではありますが、私の記憶では、30年ほど前は、本県出身者が買い求めるだけで、県外での知名度は低く、また、少し「癖のある食べ物」だったので、あまり売れませんでした。
あの「かるかん」でさえ、「カルカン、カル缶、ペットフード … ? 」と言われてしまうほど、知名度が低い時代でした。
それにもめげず、指宿市の「まるや食品」の上玉利さんが毎年、一所懸命に試食を勧めた結果、少しずつ売上が伸びていったのです。「醤油やポン酢で食べるとおいしいよ」と教えたくれたのも上玉利さんです。「白砂糖ときな粉のハーフ&ハーフ」を定番としていた私は驚いてしまいましたが、試食させていただくと、旨し!
それからは、いろんな味を試して、そのときの気分に任せて選んでおります。
指宿の母から届いた「あく巻き」に、きな粉、ポン酢、黒蜜などをつけて食べ比べてみました。
まずは初めての「豆入りのあく巻き」そのものがおいしく、中でも「ポン酢+わさび」が、とても気に入りました。
後日、今度は、高菜の漬物、佃煮、塩ふき昆布を「あく巻きのお共」としてトッピングして食べ比べてみたところ、どれもこれもおいしく、やはりお米には、味のはっきりした「お供」がぴったり合うようです。
きな粉や黒蜜で食べるときは「郷土菓子」であり「スイーツ」ですが、佃煮や漬物をトッピングするときは「郷土料理」であり「食事をとる」といったところでしょうか。
芋焼酎の飲み方がたくさんあるのと同じように、「好みに合わせて、いかようにでもなる」というのが「あく巻き」の良さです。
「あく巻き」の多様性を切り口にしてアピールすることで、ファンが増えていくように思います。
灰汁で炊き上げる「あく巻き」はアルカリ性食品であり、いわゆる健康食品でもあるらしいので、皆さんの好物を「お供」にして召し上げってみてください。
地域彩生コーディネーターの櫨山でした。(^_^)v
次回をお楽しみに♪
See you.