わからなかったことが「わかった!」という気持ちが、もう一つ上のステージに向かうモチベーションになっていく。



突然ですが、最近、テレビのクイズ番組が増えてきたと思いませんか。

それも芸能人だけでなく、小学生や東大生などの「いわゆる素人チームVSタレントチーム」といった対抗戦スタイルが増えてきているように思います。おそらくお茶の間の視聴者もクイズに答えて賢くなっていくように思えることが、幅広い年齢層での視聴率が高い理由の一つではないかと思います。


ここ数年、「人はみな成長願望があり、それを満たしてくれたり手助けしてくれるものを探しているに違いない!」と勝手に思っていたところ、毎回欠かさず録画までして観ている「がっちりマンデー!」(※1)で、世の中の「空前の謎解きブーム」のなかで、がっちり儲けている「株式会社SCRAP」(※2)が紹介されました。


「リアル脱出ゲーム」を企画運営しているSCRAPは、創業からわずか12年で38億円を売り上げ、「謎解き番組」「謎解き本」「謎解きゲーム」「謎解きイベント」などが急増している「謎解き業界」のトップランナーらしいのです。

「リアル脱出ゲーム」はゲームでありながら参加料とか入場料ではなく「公演料」と呼び、1公演1人あたり800〜4000円の公演料にも関わらず、全国に15箇所あるSCRAP専用の施設にはお客が殺到し、これまでに約740万人を動員しているそうです。


「公演」と呼ぶだけあって、参加するお客には役割(役柄)が割り当てられているのが「リアル脱出ゲーム」の特徴で、

  • 複数人で部屋に入る。
  • 制限時間内に部屋の中にあるクイズや謎を解く。
  • 脱出する。(成功)
  • 制限時間でゲーム終了

というシンプルなゲームでありながら、謎解きは「簡単すぎると達成感がない。難しすぎると先に進めないのでつまらない」ため、東大卒の「謎クリエーター」たちが「制限時間ギリギリで残り1問が解けないくらいのベストな難易度」に設定するそうです。

テレビ画面の映像を編集しました。




また、脱出に成功した人が三々五々に帰るのではなく、クリエーターが謎解きを開設した後、公演らしくエンディングをみんなで迎えることで一体感が生まれ、体験したお客の感想も、「脱出できて最高です。すごく嬉しい!」「めっちゃ良い公演でした!」「あと一歩だったけど楽しかったです!」「大満足!中毒になってやめられない!」と上々のようです。

テレビ画面の映像を編集しました。



また、SCRAP専用の施設でのゲームだけでなく、東京メトロや遊園地、ホテルなどとコラボするゲームもあるらしく、24,000円~35,000円の「ゲームチケット付き宿泊」は90%を超える稼働率で、「Win&Winでがっちり!」儲かっているようです。


㈱SCRAPの加藤社長は12年前に始めたときから、「部屋に閉じ込められて、自分の体を使って知的な謎解きをするというゲームの構造自体が人を興奮させ、ひらめいた瞬間に喜びが湧き出てくる」、また、「わからなかったことが『わかった!』という気持ちが、次のわからないものを求めて扉を開けるモチベーションになっていく」ことに気づき、「これは世界的な遊びになる」ことを確信していたそうです。


数多い「モチベーション理論」の中から、心理学者のマズローの欲求段階説によれば、人間の欲求は5段階に体系化され、下の方から「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「自我の欲求(承認欲求)」「自己実現の欲求」となり、下の欲求から順に充足され、一番上の「自己実現の欲求」だけは他と異なり、満たされてもさらに高い欲求が生じてくるということのようです。


経営に置き換えてみると、課題を抱えた経営者が一人で悩んだり取り組んだりするより、社内でのグループや他の経営者とネットワークを組んで補完し合うほうが課題解決に近づくことができて、解決できたときの喜びと一体感が倍増するのだと思います。

また、さらにもう一段階上のステージに挑もうとするモチベーションが生まれてくるのだろうと思います。

(※1)がっちりマンデー!

(※2)株式会社SCRAP

地域彩生コーディネーターの櫨山でした。(^_^)v

次回をお楽しみに♪

See you.