「新しい生活様式」で求められる商品・サービスのキーワードは “DIY” です!


商品やサービスを開発するとき、また、その需要や消費を喚起するときに必要な “息の長いキーワード” の中でも代表的なものが “DIY”(※1)であると思っております。その “DIY” というキーワードの重要性を、数か月前から頻繁に聞かれるようになった “巣ごもり” というニューワードが加勢して、最近、“DIY需要” がさらに高まってきているようです。


一昨日の「がっちりマンデー!!」は「儲かるDIYビジネス」の特集で、埼玉県に本社があるホームセンター「カインズ」が紹介されていました。鹿児島県には店舗はありませんが、国内28都道府県218店舗での年間売上高は4,410億円で、ホームセンター業界での売上ランキングは1位だそうです。

中でもカインズ・オリジナルのDIY商品の売上は、この1年で「150%UP!」となり、その理由は「初心者狙い作戦!」とのことで、売場も “プロ向け” と “初心者向け” とに分けてあり、初心者が気兼ねなく、ゆっくり選べるように工夫してあるようです。


新商品開発チームは男性社員で構成されていますが、開発会議には、DIYの経験がない他の部署の女性社員も参加して、「徹底的な素人目線、初心者目線の意見」を取り入れて、5年前から約2,000アイテムのカインズ・オリジナル商品が開発されているそうです。

若い女性客が連れ立って買い物をしている様子と、多くの類似商品の中から「カインズ・オリジナル商品を選ぶ理由」が紹介されましたが、まさに「DIYの経験がない女性社員の素人目線の意見」そのままでした。


“DIY” は、ホームセンターだけでなく、“食” に関連する商品・サービスの開発や需要拡大にもとても大切な要素です。


私は、3年半前、さつま町食品加工懇話会主催の「甘酒づくりワークショップ」に参加してから、「工房七草(森山さん)」の米糀(こめこうじ)を買い、甘酒をDIYしています。(※2)

森山さんの米糀には「かんたんレシピ」が添付してあり、そのレシピどおりの分量、時間、混ぜ方で作っていくと、酒粕を使わない甘くておいしい「手づくりの甘酒」が出来上がります。


このレシピさえあれば、他社の米糀を使ってでも甘酒が作れそうですが、「失敗したくない!」ので「工房七草の米糀」を使い続けています。また、DIYの時間がないときは、さつま町の物産館、おいどん市場与次郎館、たわわタウン谷山で「工房七草の甘酒」を買い求めることもあります。

私としては、きっかけとなったワークショップ込みで「工房七草の米糀と甘酒」に対する「顧客ロイヤルティ」(※3)を持っており、よっぽど大きな理由や事情が発生しない限り、スイッチングコスト(※4)をかけてまでも変更することはないだろうと思っています。



2か月ほど前、この彩ログでも紹介しましたが、毎年、「自家製の黒梅酢」を手づくりして愛飲しております。(※5)

これは甘酒同様、私が “食” に関連する商品・サービスの開発や需要拡大のためにはとても大切だと思っている「おいしい・健康・安全」や「発酵・熟成」といったキーワードを切り口に、“DIY”を実践しているものの一つです。

毎年、「自家製の黒梅酢」を手づくりし続けているのは、「コップ1杯当たり約50円」で「おいしい・健康・安全」というキーワードを体感できて、また、「DIYは楽しい!」という満足感を得られるからです。



私たちがひとかたまりに“消費者”と呼んでいる人たちは、個々の “生活者” かつ “エンドユーザー” であり、それぞれがコロナ禍における「新しい生活様式」のための商品やサービスを探し求めています。また、それを選ぶときの大切な要素の一つが “DIY” であると思います。


皆さんの商品やサービスに “DIY” の要素を付加して、ターゲットとする潜在顧客にアプローチしてみてはいかがでしょうか。

“DIY” から得られる「経験・体験・体感」、「好み・カスタマイズ」、「自己成長・自己向上」といった魅力ある付加価値に満足した生活者は、「潜在顧客から見込み顧客へ、そしてリピーター」となり、「カインズの儲かり作戦」の効果と同じように「だんだん上級者向け商品も買う」ようになり、「ブランドロイヤルティ」(※6)を示してくれるようになるのではないでしょうか。

(※1)DIY

(※2)甘酒づくりワークショップ

(※3)顧客ロイヤルティ

(※4)スイッチングコスト

(※5)手づくりの梅黒酢

(※6)ブランドロイヤルティ

地域彩生コーディネーターの櫨山でした。(^_^)v

次回をお楽しみに♪

See you.